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とあるアリの巣の話

 あるところに、アリのA女王が治めるアリの巣がありました。

そこでは働きアリが他の働きアリや女王アリのために日々働いていました。

あるアリが病気になったりしても、みんなで支えてていました。

 

 またあるところでは、アリのB女王が治めるアリの巣がありました。

そこではみんなが自由にしていました。

しかし、あるアリが病気になったとしても、誰も支えませんでした。

 

 A女王の国に、Cという働きアリがいました。CはA女王を嫌っていました。またA女王のために働く他の働きアリも嫌いでした。

 ある日、Cはこんなことを思いつきます。

「B女王のアリの巣に行こう!そこに行けば自由だ!」と。

さっそくこのことをするために、B女王の巣へと行きました。そして、Cはそこに住むことにしました。

 住んでから数週間が経ったとき、Cは「こんなに自由だったなんて!A女王の巣のアリ達にも教えてあげよう!きっと彼女らは私の提案で幸せになるに違いない!」と思いました。早速CはA女王の巣の入り口に行って、皆にこう言いました。

「皆B女王の巣へ行こう!そこでは自由が待っている。A女王のために働かなくてもいいんだ!」

しかし多くの働きアリは、彼女を無視しました。するとCは口調を荒げて

「A女王の元にいるとダメになる!A女王は悪魔だ!もしA女王に賛成する者が居たならば、そいつも悪魔だ!」と言いました。

それでも、やはり働きアリ達は興味を持ちませんでした。

Cは怒り、そしてこう思いました。

「B女王の巣に行かないなんて可哀想。きっと彼女らは私の提案が、とても良いものであると気づいてないんだ。」

そして「彼女らがA女王に搾取されていると気づくまで、私が彼女らに教えてあげよう!」と思いました。

そこで毎日CはA女王の巣に通って、A女王を批判しました。

 

 ある日、Cは病気になってしまいました。動けないほどの病でした。しかしB女王の国のアリ達は助けてくれません。そうしてCは死んでしまいました。